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こどもスクールそろばん・かきかた書道・アート

保護者向けコラム|習い事・子育て

AIの時代に、
手で書く・そろばん・
自分で描くことの意味

「AIが文章も計算も絵もこなしてくれるのに、手で書いたり、そろばんで計算したり、絵を描いたりする意味はあるの?」。そんな声を聞くことがあります。こどもスクールは、AIの時代だからこそ、小学生のうちに「自分の手と頭でやる」経験を積むことが、AIを上手に使いこなす力の土台になると考えています。AIが得意なことと、こどもの中にしか育たない力、3つの習い事で育つ力と、それがAIを使うときにどう生きるかをお話しします。

先に答え:AIの時代だからこそ、手で書く・頭で計算する・自分で描くといった「自分の手と頭でやる」経験は、小学生のうちに育てておきたい大切な土台です。AIは、文章も計算も絵もつくれます。でも、自分でやったときにこどもの中に育つ力(よく見る力、数の感覚、自分で決める力、集中、自信)は、AIが代わりに育ててはくれません。この土台がある子ほど、大きくなってからAIを上手に使いこなせます。

前回のコラム「小学生にAIは使わせる?」では、小学生のうちは、こどもが自分で生成AIを使うのは、まだ急がなくて大丈夫、というお話をしました。今回はその続きで、小学生のうちに何を大切にするとよいかをお話しします。

こどもスクールの答えは、手で書く・頭で計算する・自分で描くという、昔からある3つのことです。どれも、AIが「代わりにやってくれそう」に見えることです。だからこそ、自分でやる意味がある、と私たちは考えています。

AIが得意なことと、こどもの中にしか育たない力

AIは、結果を出すことがとても得意です。一方で、結果にたどり着くまでの途中で、こどもの中に少しずつ育つ力があります。こちらは、AIに任せてしまうと育ちません。

AIが得意なことこどもの中にしか育たない力
整った文字の文章を、すぐに用意する字の形をよく見て、手を思いどおりに動かす力
大きな数の計算を、速く正確にする「だいたいこのくらい」がわかる数の感覚
頼めば、それらしい絵をすぐにつくる何を描きたいかを、自分で決める力
たくさんの情報から、答えをまとめる自分の考えを、自分の言葉で話す力
疲れずに、いつでも同じように動くむずかしくても最後までやりきって、「できた」と感じる自信

右側の力は、テストの点数のようには目に見えません。でも、大きくなってAIを使うとき、差が出るのはこの右側です。AIに何を頼むか、答えをどう確かめるか、どこを自分で直すか。それを決めるのは、使う人の中にある力だからです。

前回お話しした「先に土台、あとから道具」の土台とは、この右側の力のことです。ここからは、3つの習い事で育つ土台を見ていきます。

手で書く(かきかた書道):手書きで育つ力

キーボードや音声入力で、文字がすぐに打てる時代です。それでも、手で書く時間には、字のきれいさ以外にも育つものがあります。

  1. 形をよく見る力

    はらいの長さ、点の向き、すき間の広さ。お手本に近づけようとすると、形をじっくり見るようになります。小さなちがいに気づく力は、図や表を読むときにも役立ちます。

  2. 覚える力

    手で書いた字は、打った字より記憶に残りやすいと言われます。一画ずつ手を動かすことで、漢字の形や筆順が、少しずつ体に入っていきます。

  3. 落ち着いて向き合う力

    ゆっくり、ていねいに書く時間は、気持ちを落ち着ける時間でもあります。一枚を書き上げるまで集中した経験は、ほかの勉強にもつながります。

  4. 自分の言葉を持つ力

    手で書くのは、打つより時間がかかります。そのぶん「何を書こうかな」と考えながら言葉を選びます。日記や手紙を手で書くことは、自分の考えを自分の言葉にする練習です。

AIを使うときに、こう生きるたとえば中学生や高校生になって、AIに作文の下書きを手伝ってもらったとします。自分の言葉を持っている子は、「ここは自分の気持ちとちがう」と気づいて、自分の言葉に直せます。AIの文章をそのまま出さずに、自分の文章に仕上げられるのです。形をよく見る習慣は、AIの答えの小さなおかしさに気づく目にもなります。

字がきれいになるしくみは字がきれいになる習い事、鉛筆で書く「硬筆」については硬筆とは?でくわしくお話ししています。

頭で計算する(そろばん):数の感覚と暗算

計算は、電卓やAIのほうがずっと速くて正確です。それでも、こどもが計算を練習するのは、自分で計算する中で数の感覚が育つからです。

  1. 数の感覚

    そろばんでは、数を玉の動きとして目で見て、指で動かします。「7は5と2」「あと3で10」といった数のしくみが、感覚として身につきます。

  2. 暗算の力

    慣れてくると、頭の中にそろばんを思いうかべて計算できるようになります。そろばん式の暗算です。紙や道具がなくても、頭の中で数を動かせます。

  3. 集中する力

    数を見たり聞いたりしながら、玉をはじいて計算する。目と耳と手と頭を同時に使うので、一問ずつ自然に集中します。

  4. 「だいたいこのくらい」がわかる力

    数の感覚がある子は、計算する前に、答えのおおよその大きさが見えます。この「見当をつける力」が、AIの時代にとても役に立ちます。

AIを使うときに、こう生きる計算が得意に見える生成AIも、もっともらしい数字を、まちがえて答えることがあります。たとえば、3つで千円くらいのはずの買い物の合計が「1万円」と出てきたら、数の感覚がある子は「あれ、けたがちがうかも」とすぐに気づけます。AIや表計算の答えを、そのまま信じずに確かめられるのは、自分の中に数の感覚があるからです。

「計算は機械がするのだから、そろばんは意味がないのでは」という疑問にはそろばんは意味ない?で、暗算のしくみはそろばん式暗算のしくみでお答えしています。

自分で描く(アート):創造性と自信

いまは、言葉で頼むだけでAIが絵をつくってくれます。それでも自分で描く意味は、絵のうまさよりも、「自分はどうしたいか」を自分で決める力が育つことにあります。

  1. 何を描きたいかを、自分で決める力

    白い紙を前に、何を描くか、どんな色にするかを決めるのは自分です。「すき」「こうしたい」を形にする経験が、創造性の芽になります。

  2. 正解のない問いに、自分の答えを出す力

    アートには、1つの正解がありません。「どう感じた?」「なぜそう思う?」と聞かれて、自分なりの答えを考え、言葉にする。友だちの答えを聞いて、ちがう見方に気づく。どちらも、AIが代わりにはしてくれないことです。

  3. 認めてもらえた自信

    「この形、おもしろいね」と、出来ばえより工夫を見てもらえる経験は、上手・下手で比べられる経験とはちがう自信を育てます。「自分の感じ方でいいんだ」という気持ちは、自己肯定感の土台になります。

AIを使うときに、こう生きるAIに絵や文章をつくってもらうときも、「何をつくりたいか」を決めるのは人です。自分の「こうしたい」がはっきりしている子は、AIが出したものを見て「ちがう、もっとこうしたい」と言えます。AIに自分を合わせるのではなく、自分の考えに合わせてAIを使う。それが、AIを使いこなすということです。

こどもスクールのアート教室では、名画を見ながら「どう感じた?」を話し合う「アート哲学対話」の時間があります。アートで育つ力はアート教室に通うメリットでもお話ししています。

3つに共通する、AIを使いこなす力の土台

書く・計算する・描く。ちがう3つの習い事ですが、どれにも共通して育つ力があります。

共通して育つ力習い事の中ではAIを使うときには
集中する力一画、一問、一枚に、じっくり向き合う長い答えを、あわてずに最後まで読める
最後までやりきる力むずかしくても、あきらめずに仕上げるうまくいかなくても、頼み方を変えて何度もためせる
自己肯定感自分でやって「できた」を積み重ねるAIの答えとちがっても、自分の考えを言える

とくに大切にしたいのは、自己肯定感です。「自分でやって、できた」という経験をたくさん持っている子は、むずかしいことに出会っても「やってみよう」と思えます。AIがすぐに答えをくれる時代だからこそ、自分の力でできた経験が支えになります。くわしくは自己肯定感を育てる習い事、集中力が続かない子に向く習い事もご覧ください。

AIの時代の習い事、選ぶときのポイント

「AIの時代に役立つ習い事は?」と聞かれたら、私たちは、何を習うかと同じくらい、どう教わるかが大切だとお答えしています。教室を選ぶときは、こんなところを見てみてください。

  • 答えをすぐに教えすぎないか:先生がすぐに答えを言うと、AIに聞くのと同じになってしまいます。こどもが自分で気づくまで待ってくれる教室がおすすめです。
  • 手と頭を動かす時間がたっぷりあるか:説明を聞くだけでなく、こども自身が書く・計算する・描く時間が、レッスンの中心にあるか。
  • がんばりや工夫を、認めてもらえるか:結果だけでなく、「ここを工夫したね」と言葉にしてもらえると、自信が育ちます。
  • こどもが「楽しい」と続けられるか:土台は、時間をかけて育ちます。週1回でも、楽しく続けられることがいちばんです。
こどもスクールでは先生は答えを先に言わず、こどもが自分で気づくまで待つことを大切にしています。そろばん・かきかた書道は年長さん〜中学生で、週1回60分、月4,600円〜(税込)です。アート教室は小学1〜6年生で、週1回80分です。教室は豊橋・豊川・岡崎・安城・浜松の公民館などにあります(アート教室は岡崎・豊橋・浜松)。そろばん・かきかた書道は約20分の無料体験(持ち物は筆記用具だけ)、アート教室は40分の体験(1,000円)で、こどもの様子を見ていただけます。

おうちでできること

習い事に通っていなくても、毎日のおうちの時間の中で、土台は育てられます。特別な道具はいりません。

場面おうちでできること
買い物レジの前に「だいたい、いくらになりそう?」と、見当をつけるクイズをする
手紙・メモおじいちゃん・おばあちゃんへの手紙や、家族への伝言を、手で書いてもらう
絵や作品「上手だね」だけでなく、「どこがお気に入り?」と聞いてみる
宿題答えが合っているかより先に、「どうやって考えたの?」と聞いてみる
がんばったあと「最後までできたね」と、やりきったことを言葉にして伝える

全部を毎日しなくて大丈夫です。できそうなものを1つ選んで、ときどき続けてみてください。

AIとの付き合い方のルールや、何歳から使うかの目安は、前回の小学生にAIは使わせる?にまとめています。

AIとこどもの学びのシリーズ:小学生にAIは使わせる?、この記事、AI時代の子育て:親ができる7つのことの3本です。

よくある質問

キーボードで打てる時代に、手で書く練習は必要ですか?

打つことも、これからは大切な力です。ただ、形をよく見る力、覚える力、言葉を選ぶ力は、手を動かして書く中で育ちます。小学生のうちは、手で書く時間を大切にしてみてください。打つ練習は、大きくなってからでも十分に間に合います。

電卓やAIがあるのに、暗算やそろばんを習う意味はありますか?

あります。答えを出すのは機械に任せても、「だいたいこのくらい」と見当をつける数の感覚は、自分で計算した経験から育ちます。この感覚があると、機械やAIの答えのまちがいに気づけます。そろばん教室の無料体験(約20分)で、様子を見ていただけます。

絵もAIでつくれる時代に、アートを習う意味はありますか?

AIは、頼まれたものをつくるのが得意です。でも、「何をつくりたいか」を決めるのは人です。自分で描く経験は、自分の「こうしたい」を見つけ、正解のない問いに自分の答えを出す練習になります。アート教室は小学1〜6年生が対象で、40分の体験(1,000円)があります。

3つとも習わないといけませんか?

いいえ、どれか1つで大丈夫です。どの習い事にも、集中する力、やりきる力、「できた」という自信が育つ時間があります。こどもが「楽しい」と感じるものを選んでください。迷ったときは、かきかた書道教室やそろばん教室の無料体験、アート教室の体験で、こどもの表情を見てみるのがおすすめです。

わくま君

自分の手と頭でやってみよう。その力が、AIを上手に使う土台になるよ!

森田 泰斗

この記事を書いた人

森田 泰斗株式会社森田グループ こどもスクール塾長

1972年に豊橋で始まった「森田塾」を引き継ぎ、愛知・静岡の約90教室とベトナム・ハノイ校で、そろばん・かきかた書道・アートを通じて「自分を信じる力」を育てています。教育についての講演・セミナーも行っています。

まずは、無料体験へ

そろばん・かきかた書道は体験無料(約20分・持ち物は筆記用具だけ)。アートの体験は40分・1,000円(手ぶらでOK)。教室の雰囲気や先生との相性を、お子さまと一緒に確かめてください。