小学校の先生へ
3年・4年の算数「そろばん」、
この順番なら 教えられる
「そろばんを習ったことがないので、教え方に自信がない」——そんな先生のために、授業でそのまま使えるワークシート12まい(無料・答えつき)と、指導のポイントをまとめました。こどもスクールが50年あまりのそろばん教室と講師研修で使ってきた教え方をもとにしています。

ワークシート12まい(無料)
3つのステップ×4まい。答えつきのPDFで、人数分 印刷してお使いいただけます。
指導のポイント
そろばんの名前・指の使い方・唱え方・つまずきやすいところと声かけ。授業の前に5分で読めます。
画面のそろばん
電子黒板やタブレットで映せる、さわって動かせるそろばんもあります(無料)。
学習指導要領では
3年・4年で 学ぶこと
小学校学習指導要領(平成29年告示)の算数では、3年と4年で、そろばんを使った数の表し方と計算を学びます。
| 学年 | おもな内容 | 例 |
|---|---|---|
| 3年 | そろばんによる数の表し方。簡単なたし算・ひき算(万の単位の数、0.1の位までの小数もふくむ) | 257 を置く、3+4、9+6、13−6、2万+6万、7.2−3.4 |
| 4年 | そろばんを使った たし算・ひき算(億・兆の大きな数や、小数) | 3億+5億、8億−2億4000万、1.23+2.4、6.05−2.38 |
教科書では、どちらの学年も数時間の小単元です。ねらいは「そろばんの名人になること」ではなく、「位取りのしくみが目で見えること」「5や10のまとまりで考えること」。そろばんを習ったことがない先生でも、下のワークシートの順番どおりに進めれば、こどもたちは十分に計算できるようになります。
無料ワークシート
授業でそのまま使える
ワークシート12まい
やさしい順に、3つのステップ×4まい。どのPDFも、さいごのページが先生用の答えです。授業・宿題で、自由に印刷してお使いください。



授業の前に
先生が 知っておきたい きほん
| ことば | 意味 |
|---|---|
| はり(梁) | まん中の横の棒。はりに寄せた玉だけを数えます |
| 五玉(ごだま) | はりの上の玉。1こで5 |
| 一玉(いちだま) | はりの下の玉(4こ)。1こで1 |
| 定位点(ていいてん) | はりの上の点。一の位を決める目じるし。3けたごとにあるので、千・百万・十億の位の目安にもなる |
| 入れる・はらう | 玉をはりに寄せるのが「入れる」、はりからはなすのが「はらう」 |
| ごはさん | 玉をぜんぶはらって、0にすること。計算の前に必ずする |
教科書によって「五珠・一珠」「五だま・一だま」など、書き方が少しちがいます。お使いの教科書に合わせてください。
指の使い方
一玉を入れる(上げる)=親指、一玉をはらう(下げる)=人さし指、五玉は入れるのも はらうのも人さし指。
そろばんの置き方
机の上にまっすぐ置き、左手でそろばんの左はしを軽くおさえます。はじめに「ごはさん」。
数の置き方
一の位を定位点のあるけたに決めてから、大きい位から順に置きます。
5と10のルール
声に出して 覚える「唱え方」
一玉が足りないときは五玉を、一の位に入りきらないときは となりの位を使います。手順を言葉にして唱えながら玉を動かすと、こどもは迷わなくなります。
| ルール | 唱え方の例 |
|---|---|
| 5のルール (たし算) | たす4は、5たして1をとる 3+4=7 |
| 5のルール (ひき算) | ひく4は、1たして5をとる 7−4=3 |
| 10のルール (たし算) | たす6は、4とって10をたす 9+6=15 |
| 10のルール (ひき算) | ひく4は、10とって6をたす 12−4=8 |
| 5と10の両方 | たす6は、1をたして5をとって10をたす 7+6=13 ひく6は、10をとって5をたして1をとる 13−6=7 |
こどもスクールでは、この唱え方を「たし算の九九・ひき算の九九」と呼び、声に出して覚えます。ワークシートのステップ2に、すべての唱え方の一覧があります。教科書によって言い方が少しちがうことがありますが、玉の動きは同じです。
授業の流れ(例)
3年は3時間、4年は2時間
ワークシートは全部で12まい。1時間に1〜2まいが目安です。全部使わなくても大丈夫。学校や教科書の計画に合わせて選び、のこりは早く終わった子や宿題に使ってください。
3年
- 1時間め:そろばんのしくみと、ルールなしの計算(ステップ1 ①②)
各部の名前 → ごはさん → 1けたの数を置く・読む → 1けた・2けたの たし算・ひき算。となりの人と、置いた数を読み合います。③④は練習や宿題に。
- 2時間め:5と10のルール(ステップ2 ①②)
先に「5のなかよし(1と4、2と3)」「10のなかよし(1と9…5と5)」を声に出して確認。3+4、9+6 を、唱えながら全員で動かします。③ひき算・④両方を使う計算は、つぎの時間のはじめや宿題に。
- 3時間め:大きな数・小数の計算(ステップ3 ①②)
2万+6万も、7.2−3.4も、一の位の場所を決めれば、これまでと同じやり方でできることに気づかせます。さいごに「そろばんのよいところ」を話し合います。
4年
- 1時間め:3年のふりかえり+億・兆の計算(ステップ3 ③)
はじめの10分は、ステップ1・2から1まい選んで、ふりかえり。定位点が3けたごとにあることを使って、「億の位」「兆の位」の場所を先に指でたしかめてから計算します。
- 2時間め:小数の計算(ステップ3 ④)
一の位を定位点にして、その右が0.1の位、さらに右が0.01の位。小数点の位置をそろえて入れれば、整数と同じように計算できます。
指導のポイント
よくある つまずきと 声かけ
一の位がわからなくなる
いちばん多いつまずきです。計算の前に「一の位はどこ?」と全員で指さし確認。一の位のけたを、左手の指でおさえながら計算させると、まちがいがぐっと減ります。
五玉を使う計算でとまる
先に「5のなかよし(1と4、2と3)」を声に出して確認。「たす4は、5たして1をとる」と、唱えながら玉を動かします(ステップ2 ①)。
10を使う計算でとまる
「10のなかよし(1と9、2と8…5と5)」を確認してから。「たす6は、4とって10をたす」、ひき算は「ひく4は、10とって6をたす」。7+6 や 13−6 のように5と10の両方を使う計算が、いちばんむずかしいところです(ステップ2 ④)。
玉がはりに寄りきっていない
玉が中途半端な場所にあると、読みまちがえます。「はりにピタッ」「はらった玉は下まで」と声をかけます。
指の使い方がばらばら
はじめに一度だけ、ていねいに確認します。数時間の単元では、きびしくしすぎず、正しい答えを出せることを優先してかまいません。
早い子・ゆっくりの子
早く終わった子には、のこりのワークシートや、無料の練習問題プリントに挑戦。ゆっくりの子は、ステップ1にもどったり、ペアで「読む係・置く係」を交代しながら。

そろばんは、位取りが「目で見える」のが いちばんの よさだよ!
よくある質問
先生からの質問
そろばんを習ったことがなくても、教えられますか?
教えられます。3年・4年で学ぶのは、数の表し方と、たし算・ひき算の基本だけです。ワークシートのステップ1→2→3の順に、唱え方を声に出しながら進めれば大丈夫です。授業の前に、先生ご自身でワークシートを一度といてみてください。
ワークシートは、全部使わないといけませんか?
いいえ。授業の時間や、こどもたちの様子に合わせて選んでください。授業ではステップ1①②・ステップ2①②・ステップ3を中心に、のこりは練習や宿題に使うのがおすすめです。
ワークシートは、人数分印刷していいですか?
はい。授業や宿題で、自由に印刷してお使いください。販売や、ほかのサイトへの掲載だけはご遠慮ください。
答えはどこにありますか?
それぞれのPDFのさいごのページが、先生用の答えです。「数を入れよう」の問題は、となりの人とたしかめ合う問題なので、答えはのせていません。
学校のそろばんが人数分ありません。
2人で1台にして、「置く係」「読む係」を交代しながら進めると、かえって話し合いが生まれます。画面で動かせるさわれるそろばんをタブレットで使うこともできます。
左ききの子は、どうすればいいですか?
そろばんは右手で玉を動かすのが一般的ですが、短い単元では、まず数のしくみがわかることを大切にしてください。無理に指の使い方をそろえるより、楽しく計算できることを優先しましょう。
教科書の言い方(五珠・一珠など)とちがいます。
教科書によって書き方が少しちがいます。こどもたちには、お使いの教科書の言い方で伝えてください。ワークシートの中身(数の置き方・玉の動き)は同じです。
このページを作った教室
こどもスクールについて
1972年に豊橋で始まり、愛知・静岡でそろばん・かきかた書道・アートの教室を開いています。このページの教え方は、こどもスクールの講師研修で使っている内容をもとにしています。

