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保護者向けコラム|習い事・子育て

小学生にAIは使わせる?
小学生のうちは、
まだ急がなくて大丈夫

「宿題をAIに聞いてもいいの?」「これからの時代、早く慣れさせたほうがいい?」。ChatGPT などの生成AIが身近になり、こんな相談が増えています。こどもスクールは、小学生のうちは、こどもが自分で生成AIを使うのは、まだ急がなくて大丈夫だと考えています。その理由と、土台のある子がAIをどう使いこなしていくか、ルールや学校の考え方、おうちで決めておきたいことをお話しします。

先に答え:こどもスクールは、小学生のうちは、こどもが自分で生成AI(ChatGPT など)を使うのは、まだ急がなくて大丈夫だと考えています。AIのいちばん得意なことは「答えを出すこと」です。小学生の時期は、答えにたどり着くまでの「考える・書く・計算する」をくり返して、頭の土台を育てる時期です。その土台=基礎学力がある子は、少し大きくなってから使い始めても、AIをとても上手に使いこなせるようになります。自分で使い始めるのは、中学生ごろから、大人と一緒にルールを決めて少しずつ、が目安です。

「AIの時代に、そろばんや習字なんて必要なの?」と聞かれることがあります。私たちは、こう考えています。AIが何でも答えてくれる時代だからこそ、自分の頭で考え、自分の手で書き、自分で計算した経験が、その子の大きな力になります。大人がAIを便利に使えるのは、子どものころに、そうした土台を育ててきたからです。

AIは、こどもの何を「代わりに」する?

生成AIは、質問を入れると、文章や答えをすぐに返してくれます。大人の仕事には、とても便利な道具です。ところが、小学生の勉強で使うと、本来こども自身がするはずだった部分を、AIが代わりにしてしまいます。

こどもがすることAIに任せると
算数の問題を、ああでもないこうでもないと考える考え方と答えが、すぐに出てくる
作文で、何を書くかを自分で決めて、言葉を選ぶそれらしい文章が、一瞬でできあがる
調べ学習で、本や資料を読んで、大事なところを見つけるまとめた答えだけが、手に入る
わからなくて、もやもやしながら、もう一度やってみるもやもやする時間そのものが、なくなる

大人にとっての「手間」は、こどもにとっては「学び」そのものです。表の左側の時間こそが、考える力や書く力を育てています。

小学生のうちは急がなくて大丈夫な、3つの理由

  1. 考える力は、「自分で考えた時間」でしか育たない

    わからない問題に向き合い、自分なりに考え、まちがえて、もう一度やってみる。この「わからない時間」をくぐりぬけた経験が、考える力になります。すぐに答えがもらえると、その時間がなくなります。答えは合っていても、考える力は育ちません。

  2. 小学生は、読む・書く・計算するの土台をつくる時期

    ひらがなや漢字を手で書いて覚える。くり上がりの計算を何度もくり返して、数の感覚を身につける。自分の言葉で作文を書く。こうした土台は、小学生の間に、時間をかけて育つものです。作文をAIに書かせると、文章はできても、自分の言葉は育ちません。

  3. AIのまちがいを、見分ける力がまだない

    生成AIは、もっともらしい文章で、まちがったことを答えることがあります。大人は「本当かな?」と疑って確かめられますが、小学生は、自信たっぷりの答えをそのまま信じてしまいがちです。また、名前や学校、写真などを、気づかずに入力してしまう心配もあります。

こどもスクールではそろばんでは頭の中で数を動かし、かきかた書道では自分の手で一画ずつ書き、アート教室では描きたいものを自分で決めます。どれも、AIが代わりにしてくれない「自分でやる」経験です。先生は答えを先に言わず、こどもが自分で気づくまで待つことを大切にしています。

土台がある子は、AIを上手に使いこなせる

小学生のうちにAIを使わなくても、あとで困ることはありません。むしろ、読む・書く・計算するといった基礎学力の土台がある子ほど、少し大きくなってから使い始めたときに、AIをとても上手に使いこなせるようになります。AIは、使う人の力をそのまま大きくする道具だからです。

小学生のうちに育つ土台AIを使うときに、こう生きる
自分で考える力何を知りたいのかがはっきりしているので、AIに良い質問ができる
数の感覚・計算する力「この数字、おかしいな」と、AIのまちがいにすぐ気づける
読む力AIの長い答えから、大事なところを読み取れる
書く力・自分の言葉AIが出した文章を、自分の考えに合わせて直せる
最後までやりきる力AIの答えをうのみにせず、自分で確かめて仕上げられる

反対に、土台がないままAIに頼ると、AIの答えが正しいかどうかを判断できず、「AIに使われる」側になってしまいます。先に土台、あとから道具。小学生のうちにしっかり土台を育てておけば、中学生・高校生になってAIに出会ったとき、その子はAIを自分の力をのばす道具として使えるはずです。

利用規約と、学校のガイドライン

こどもの利用に慎重なのは、こどもスクールだけではありません。サービスの決まりや、国のガイドラインも、こどもの利用には慎重です。

  • サービスの利用規約:ChatGPT など代表的な対話型AIの多くは、13歳未満を利用の対象にしておらず、13〜17歳は保護者の同意を求めています。決まりはサービスごとにちがい、変わることもあるので、使う前に必ず確かめてください。
  • 文部科学省のガイドライン:文部科学省は、学校で生成AIを使うときの考え方をまとめたガイドラインを出しています(2024年12月に改訂)。こどもが学習で使う場面については、発達の段階に十分気をつけ、リスクへの対策をしたうえで使い方を考えるよう求めています。

学校によっては、先生が授業の中でAIを見せたり、使い方を考えたりする時間があるかもしれません。先生が目的とルールを決めて、目の前で見守りながら行う授業は、AIを「知る」学びです。おうちで気をつけたいのは、こどもが一人で、宿題や作文の答えをAIに出してもらうことです。

「急がない」は「知らなくていい」ではない

小学生のうちは急がなくて大丈夫、といっても、AIを遠ざけて何も話さない、ということではありません。これから大人になるこどもたちにとって、AIはあたりまえの道具になります。「どんなもので、どう付き合うか」は、小学生のうちから、おうちで話題にできます。

  • 大人が使うところを見せる:「お父さんは、仕事の文章の下書きにAIを使っているよ。でも、最後は自分で読んで直しているよ」。使い方と、確かめる姿勢をいっしょに見せます。
  • 得意なことと苦手なことを話す:AIは速く答えるのが得意。でも、まちがえることもあるし、あなたが何を好きかは知らない。そんな話から始めます。
  • 「本当かな?」と確かめる習慣:テレビやネットで見たことを、本や別の情報でたしかめる。これはAIの時代に、いちばん役に立つ力のひとつです。

おうちのルールの例

小学生のいるご家庭で、決めておくと安心なルールの例です。ご家庭に合わせて、こどもといっしょに決めてください。

場面ルールの例
宿題・ドリルまず自分で考える。わからないときは、教科書を見る、おうちの人や先生に聞く
作文・読書感想文・日記自分の言葉で書く。上手でなくても、自分で書いたものがいちばん
調べ学習まず本・図鑑・教科書で調べる。インターネットは、おうちの人といっしょに
アプリ・端末こども一人で使えるAIアプリは、まだ入れない。使うときは大人と一緒に
個人の情報名前・学校・住所・写真は、どんなアプリやサイトにも入れない

ルールは、理由といっしょに伝えるのがコツです。「ダメだから」ではなく、「自分で考えた時間が、あなたの頭を強くするから。そうすると、大きくなってからAIも上手に使えるよ」と話すと、こどもも納得しやすくなります。

何歳から使う?年齢ごとの目安

年齢AIとの付き合い方大切にしたいこと
年長さん〜小学校低学年まだ使わなくて大丈夫手と体を使う遊び、ひらがなや数に親しむ、たくさん話す
小学校高学年まだ急がなくて大丈夫。大人が使うところを見て、話題にする読む・書く・計算するの土台、最後までやりきる経験
中学生大人と一緒に、ルールを決めて少しずつ(サービスの年齢の決まりと保護者の同意を確かめて)答えを写さず、考えを深める道具として使う。まちがいを確かめる
高校生から自分で確かめながら、道具として使う何をAIに任せて、何を自分でやるかを、自分で決める

これは、こどもスクールが考える目安です。学校の授業で先生の指導のもとに使う場合は、学校の方針に合わせてください。

「早く慣れないと、将来困るのでは」と心配される方もいます。でも、AIの操作そのものは、少し大きくなってからでもすぐに覚えられます。反対に、考える力や書く力の土台は、時間をかけてしか育ちません。土台のある子は、使い始めてからの上達も早いものです。この順番がいちばん遠回りに見えて、いちばん近道です。

AIの時代に、小学生のうちにやっておきたいこと

  1. 自分の手で書く

    手で書いた字は、打った字より記憶に残りやすいと言われます。ていねいに書く時間は、落ち着いて考える時間でもあります。くわしくは字がきれいになる習い事へ。

  2. 頭の中で数を動かす

    電卓やAIが計算してくれても、「だいたいこのくらい」がわかる数の感覚は、自分で計算した経験からしか育ちません。そろばんの暗算は、その代表です。

  3. 最後までやりきる

    むずかしいことに挑戦して、時間がかかってもできた、という経験が、「やればできる」という自信になります。

  4. 自分の考えを、自分の言葉で話す

    正解のない問いに、自分なりの答えを出す。人の考えを聞いて、自分の考えを深める。AIが答えを出してくれる時代に、いちばん求められる力です。

どれも、特別なことではありません。毎日の勉強や習い事、おうちでの会話の中で育ちます。こどもの自信の育て方は自己肯定感を育てる習い事、集中力については集中力が続かない子に向く習い事でもお話ししています。

AIとこどもの学びのシリーズ:この記事のほかに、AIの時代に、手で書く・そろばん・自分で描くことの意味と、AI時代の子育て:親ができる7つのこともあります。

よくある質問

友だちは使っています。うちも使わせたほうがいいですか?

あせらなくて大丈夫です。ご家庭の方針として、理由といっしょに伝えてください。「今は自分の頭をきたえる時期。大きくなったら、AIも上手に使えるようになるよ」。こどもは、大人が本気で考えて決めたことは、意外とすんなり受け止めます。

学校でAIを使う授業があります。反対したほうがよいですか?

先生が目的とルールを決めて、目の前で見守りながら行う授業は、AIを知るための学びです。反対する必要はないと考えています。おうちでは、宿題や作文をAIに代わりにさせないことを大切にしてください。

早くから使わないと、将来困りませんか?

困りません。AIの操作は、少し大きくなってからでもすぐに覚えられます。むしろ、考える力・書く力・計算する力の土台がある子ほど、AIの答えを見きわめ、上手に使いこなせるようになります。小学生のうちは、土台づくりを大切にしてください。

AIの時代に、そろばんや習字を習う意味はありますか?

あります。そろばんで育つ数の感覚と集中力、かきかた書道で育つ自分の手で書く力と落ち着きは、AIが代わりに育ててはくれない力です。そろばん教室とかきかた書道教室は、無料体験(約20分・持ち物は筆記用具だけ)で、こどもの様子を見ていただけます。

わくま君

今は自分の頭をきたえる時期。土台ができたら、AIも上手に使えるようになるよ!

森田 泰斗

この記事を書いた人

森田 泰斗株式会社森田グループ こどもスクール塾長

1972年に豊橋で始まった「森田塾」を引き継ぎ、愛知・静岡の約90教室とベトナム・ハノイ校で、そろばん・かきかた書道・アートを通じて「自分を信じる力」を育てています。教育についての講演・セミナーも行っています。

まずは、無料体験へ

そろばん・かきかた書道は体験無料(約20分・持ち物は筆記用具だけ)。アートの体験は40分・1,000円(手ぶらでOK)。教室の雰囲気や先生との相性を、お子さまと一緒に確かめてください。