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こどもスクールそろばん・かきかた書道・アート

保護者向けコラム|アート

子どもと美術館、
何を見ればいい?

子どもと美術館に行っても、すぐ飽きてしまう。そんなときは、説明を読む前に「感じる」ことから始めてみましょう。元美術商の塾長が、親子でできる名画の見方と鑑賞あそびをお伝えします。

「美術館に連れて行っても、すぐ飽きてしまう」「解説を読んでも、子どもにどう伝えればいいかわからない」。そんな声をよく聞きます。

じつは絵は、説明を読んで理解するより先に、一瞬で「感じる」ものです。そして、絵を見て感じることは、子どもの「ひらめき」と「直感」を育てる、とてもよいトレーニングになります。

私は塾長になる前、美術商として絵を仕入れ、画廊で展示や販売をしていました。アメリカである画家の絵をひと目見て「この絵を日本に紹介したい」と感じたことが、絵の仕事を始めるきっかけです。理由は説明できません。それでも、あのときの直感は正しかったと今も思っています。

絵は、一瞬でたくさんのことを伝える

ためしに、次の文章を読んでみてください。

三つ編みの女の子が、手を胸に当てている。胸には花かざり。背景の左に木があり、奥には橋がかかっていて、二人が渡ろうとしている。

内容はわかります。でも読むのに時間がかかりますし、読む力によって伝わり方も変わります。

同じ場面を絵で見ると、一瞬で全部が目に入ります。それだけでなく、空気のやわらかさ、女の子の気持ち、季節の感じなど、言葉にできないことまで伝わってきます。

美術商だったころ、私が仕入れを決めるときに頼っていたのは、画家の経歴や作品の来歴といった文字の情報ではありませんでした。目で見た瞬間に感じる、言葉にならない「詩情」です。「なんてうつくしい絵だろう」と感じても、その理由はうまく説明できません。それが直感です。

元美術商がやっていた「絵の見方」

  1. 頭をからっぽにする

    「この絵は何を表しているの?」と答えを探さなくてかまいません。

  2. ゆっくり息をする

    おなかで深く息を吸って、ゆっくり吐きます。気持ちがゆったりすると、感じとれることが増えます。

  3. はじめは少し離れて、全体をぼーっと見る

    細かいところを見るのはあとからです。まずは少し離れて、絵全体をぼんやり眺めます。

この見方は、子どもにもそのまま使えます。むしろ、知識や先入観の少ない子どものほうが上手かもしれません。

見たことを「話す」と、宝箱が開く

頭に浮かんだイメージには、自分でも気づいていない情報がたくさん詰まっています。でも、そのままにしておくと、すぐに忘れてしまいます。

本の中で、私は「イメージは宝箱、話すことはそれを開けるカギ」と書きました。だれかに話してみると、「そういえば、あそこの色がさみしそうだった」のように、自分でも思っていなかった言葉が出てきます。

こどもスクールのアート教室には、名画を見ながら話し合う「アート哲学対話」の時間があります。「どう感じた?」「どこからそう思った?」と話すだけで、正解はありません。だから安心して話せますし、友だちの見方を聞くと、自分には見えていなかったものが見えてきます。美術館でも、ぜひ親子で同じように話してみてください。

ゴッホのひまわりの絵を見るこどもたち
アート哲学対話の時間。名画を見ながら「どう感じた?」を話し合います

アート教室で育つ力については、子どもの絵画・アート教室に通うメリットもご覧ください。

ときどきは「本物」を

子どものころ、私は英会話のテープ教材で勉強していました。その後、父の仕事でアメリカに住み、現地の友だちができると、テープよりむずかしい発音もすぐに聞き取れるようになりました。

本物にじかにふれると、画面や本だけでは伝わらないことまで、心に強く残ります。画集やインターネットで名画を見るのもよいですが、ときどきは美術館で本物を見てみてください。絵の大きさ、絵の具の盛り上がり、その部屋の空気。子どもは大人が思う以上に、いろいろなことを受け取っています。

親子でできる鑑賞あそび

  1. 5秒見て、目を閉じる

    5秒だけ絵を見て目を閉じ、覚えていることを言い合います。

  2. 絵の中に入ってみる

    「この絵の中に入ったら、何が聞こえる? どんなにおいがする?」

  3. 1枚だけ持って帰るなら?

    「1枚だけもらえるなら、どれにする?」と選びます。理由はあとからでかまいません。

  4. おうちで「残像あそび」

    白い紙に赤い丸を塗り、20秒ほど見つめてから目を閉じるか、白い壁に目を移します。赤の反対の色(補色)の、緑の丸が見えてきます。色の不思議にふれる、おうちでできる実験です。

※ 太陽や強い光を見つめるのは、目をいためるのでやめましょう。

よくある質問

子どもがすぐ飽きてしまいます。

全部見なくて大丈夫です。気になった1枚か2枚を、ゆっくり見るだけで十分です。「すきな絵が見つかったら帰ろう」くらいの気持ちで出かけてみてください。

絵の知識を先に教えたほうがいいですか?

知識はあとからで大丈夫です。先に「自分はこう感じた」があると、あとで知識を知ったとき「だからそう感じたんだ!」とつながって、ずっと記憶に残ります。

親に絵の知識がなくても大丈夫ですか?

大丈夫です。正解のない時間なので、大人も「お母さんは、ここがふしぎだと思った」と、感じたことをそのまま話せば十分です。

無料・名画40点おうちで名画たんけん、してみませんか?ゴッホやモネ、北斎など40の名画を、クイズやゲームでたんけん。「どう感じた?」と親子で話すきっかけにもなります。 たんけんする
わくま君

すきな絵をひとつ見つけたら、それで大成功だよ。

森田 泰斗

この記事を書いた人

森田 泰斗株式会社森田グループ こどもスクール塾長

1972年に豊橋で始まった「森田塾」を引き継ぎ、愛知・静岡の約90教室とベトナム・ハノイ校で、そろばん・かきかた書道・アートを通じて「自分を信じる力」を育てています。教育についての講演・セミナーも行っています。

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