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保護者向けコラム|そろばん

そろばん検定、
全珠連と日商のちがい

「そろばんの検定って、全珠連と日商があるけど、何がちがうの?」「どっちを受ければいい?」。同じ「3級」でも、じつは時間の区切り方や合格の決め方がちがう、別の検定です。2つの検定と、こどもスクールの検定を、表でくらべながらお伝えします。

先に答え:全珠連と日商は、別の団体が行う、別の検定です。いちばん大きなちがいは、時間の区切り方と合格の決め方。全珠連は種目ごとに時間をはかり、どの種目も合格点が必要です。日商は3つの種目をまとめて解き、合計点で合否を決めます。どちらが上ということはありません。こどもスクールの検定(伝統教育地域推進協会)は、ふだん通っている教室で年4回受けられ、種目ごとに時間と合格点を見る形です。

保護者の方から、ときどきこんな質問をいただきます。「前の教室では日商の検定を受けていたけれど、こどもスクールの検定とは何がちがうの?」「全珠連の◯級と日商の◯級は、同じくらい?」。そろばんの検定は、名前がよく似た団体がいくつもあって、わかりにくいですよね。この記事では、それぞれの団体の公式サイトで確かめたことをもとに、ちがいを整理します。

そろばん検定は、1つではありません

そろばんの検定(珠算検定)は、いくつかの団体が行っています。よく名前を聞くのは、次の3つの団体です。

  • 全珠連:公益社団法人 全国珠算教育連盟(本部は京都)。
  • 日商:日本商工会議所。各地の商工会議所が試験を行います。
  • 日珠連:一般社団法人 日本珠算連盟。日商といっしょに、珠算の検定を行っています。

「全珠連」と「日珠連」は名前がよく似ていますが、別の団体です。日珠連は、日商の検定に協力している団体です。

どの団体の検定も、級の数字が小さいほど上の級で、その上に段位があります。ただし、問題の出し方や合格の決め方は団体ごとにちがうので、「◯級」と言うときは、どの団体の◯級なのかが大切です。

3つの検定をくらべる

全珠連・日商・こどもスクールの検定を、表にまとめました(2026年10月14日に、各団体の公式サイトで確かめた内容です)。

全珠連日商・日珠連こどもスクール
行う団体全国珠算教育連盟1〜3級は日本商工会議所、ほかの級・段位は日本珠算連盟伝統教育地域推進協会
珠算の級15級〜1級・準級・段位10級〜1級・準1〜準3級・段位10級から
種目見取算・かけ算・わり算(準3級からは選ぶ種目も)見取算・かけ算・わり算見取算・かけ算・わり算
時間種目ごと(1種目7分など)3種目まとめて30分(7〜10級は20分)種目ごと(1種目7分)
合格の決め方どの種目も合格点以上3種目の合計点どの種目も合格点以上
回数4〜15級は毎月、1〜準3級・段位は年6回年3回(6・10・2月)年4回(3・6・9・12月)
受ける場所各地の連盟が決めた場所各地の商工会議所などふだん通っている教室
受験料(3級)1,900円1,800円教室でご案内
受験料(1級)2,800円2,800円—

受験料は税込みです。全珠連は2024年7月の検定から、日商・日珠連は2024年4月からの金額です。試験の日や会場は、地域によってちがうことがあります。

全珠連の検定

全珠連(全国珠算教育連盟)の珠算検定は、15級から1級までの級と、準級、段位(準初段〜十段)があります。級と段位をあわせて「全37段階」と案内されています。いちばん下は15級なので、はじめたばかりの小さな子でも、早いうちから合格の経験ができます。

  • 種目:かけ算・わり算・見取算。10〜15級は見取算だけ、9級は見取算とかけ算です。準3級からは、伝票算・暗算・応用計算の中から選ぶ種目が加わります。
  • 時間:種目ごとに区切り、1種目7分(暗算は3分、応用計算は10分)。
  • 合格:1種目150点満点で、すべての種目で100点以上。
  • 回数:4〜15級は毎月、1級〜準3級と段位は奇数月の年6回。
  • 申し込み:日にちや申込期間は地域ごとに決めているので、最寄りの支部に問い合わせます。

暗算検定も別にあり、こちらは10級〜1級と段位です。

日商の検定(日本珠算連盟の検定も)

「日商の検定」と呼ばれることが多いのですが、くわしく見ると、級によって行う団体がちがいます。

  • 1〜3級:日本商工会議所が主催し、日本珠算連盟が協力。
  • 準1〜準3級・4〜10級・暗算・段位:日本珠算連盟が主催し、日本商工会議所が協力。4〜6級は、2025年度から日本珠算連盟の検定になりました。

試験は年3回で、2026年度は6月28日・10月25日・2027年2月14日です(地域によって行う月がちがうことがあります)。

  • 種目:見取算・かけ算・わり算の3つ(伝票算は2002年度になくなりました)。暗算は別の検定です。
  • 時間:3つの種目が1枚の用紙にまとめて出て、あわせて30分(7〜10級は20分)。時間の中なら、どこから解いてもかまいません。
  • 合格:3種目の合計点で決まり、種目ごとの最低点はありません。1〜3級は300点満点で240点以上です。
  • 9級と10級:同じ問題を解いて、点数で9級か10級かが決まります。
  • 申し込み:受けたい場所の商工会議所か、各地の珠算連盟へ。教室に通っている子は、教室の先生に聞くように案内されています。

1〜3級の合格証は、日本商工会議所の会頭の名前で出されます。紙の合格証で、デジタルの合格証はありません。

いちばん大きなちがい:時間の区切り方と、合格の決め方

表を見るとわかるとおり、2つの検定の考え方は、ここが大きくちがいます。

  • 全珠連(こどもスクールの検定も):種目ごとに時間をはかり、どの種目も合格点が必要。苦手な種目が1つでもあると、ほかがよくても合格できません。そのかわり、1つずつの種目に集中して取り組めます。
  • 日商:3つの種目をまとめて解き、合計点で決まります。得意な種目で点を取れば、苦手な種目を少しおぎなえます。そのかわり、30分の中でどの順に解くか、時間の使い方も大切になります。

どちらがかんたん、ということではありません。同じ「3級」でも、求められる力のかたちが少しちがう、別の検定だと考えてください。ですから、全珠連の◯級と日商の◯級が「同じくらい」とは、ひとことでは言えないのです。

豊橋のご家庭へ:豊橋商工会議所の珠算検定は終わりました

豊橋商工会議所は、2026年2月を最後に、珠算検定の実施を終えたと案内しています。豊橋で日商の珠算検定を受けたいときは、近くの商工会議所(豊川・蒲郡・浜松・名古屋など)の案内を確かめてください。受けられる級や申込期間は、商工会議所ごとにちがいます(2026年10月14日時点)。

こどもスクールの検定は、ふだん通っている教室で受けられるので、こうした会場の変化の心配はありません。

こどもスクールの検定

こどもスクールの検定は、一般社団法人 伝統教育地域推進協会が認定するものです。

  • 受ける場所:ふだん通っている教室。いつもの先生のもとで受けられるので、はじめての子も落ち着いて取り組めます。
  • 回数:年4回(3・6・9・12月)。3か月ごとに目標を立てやすい間かくです。
  • 形:見取算・かけ算・わり算を、各種目15問・7分で解き、どの種目も15問中10問(100点)以上で合格。種目ごとに時間と合格点を見る形です。
  • 合格証:協会の名前の合格証(認定証)をお渡しします。

こどもスクールの検定の級は、協会の基準による級です。全珠連や日商とは別の検定なので、そのまま「同じ級」とは言えません。ほかの団体の検定も受けてみたいときは、本部にご相談ください。級ごとの問題の形は、そろばん検定の級と受け方と、無料の練習問題プリントで見られます。

どれを受ければいい? 塾長の考え

私は、こどもにとって大切なのは、団体の名前よりも、続けて受けられることだと考えています。決まった間かくで検定があり、「次は◯級」と目標を立てて、合格して、また次をめざす。このくり返しが、計算の力と「やればできる」という自信を育てます。

そのためには、受けに行きやすいこと、こどもがあせらず実力を出せることも大切です。会場が遠かったり、年に何回もない検定だったりすると、目標と目標のあいだが空いてしまいます。いつもの教室で、3か月ごとに受けられることは、小学生にとって大きな良さだと思います。

いっぽうで、中学生・高校生になって、履歴書に書いたり、ほかの人にわかりやすく伝えたりしたいときは、広く知られている団体の検定を受ける、という考え方もあります。履歴書の書き方について、どの団体も公式の決まりは出していませんが、どの団体の何級かがわかるように書くのがおすすめです。

こどもスクールでは年4回の検定を、ふだんの教室で行っています。検定の前は授業の中で本番と同じ形の練習をして、時間の使い方や見直しのしかたも身につけます。

よくある質問

全珠連と日商、どちらが上ですか?

どちらが上、ということはありません。行う団体も、時間の区切り方も、合格の決め方もちがう、別の検定です。お子さんの目的や、受けやすさで選んでください。

全珠連と日珠連は、同じ団体ですか?

別の団体です。全珠連は全国珠算教育連盟、日珠連は日本珠算連盟で、日珠連は日本商工会議所と協力して検定を行っています。

「準級」とは何ですか?

級と級のあいだに置かれた級です。日商・日珠連には準1級・準2級・準3級があり、全珠連にも準級があります。少しずつ目標を立てられるようにするための級です。

暗算の検定は、そろばんの検定とちがうのですか?

全珠連も日珠連も、珠算(そろばん)の検定とは別に、暗算の検定を行っています。そろばんを使わず、頭の中のそろばんで計算する検定です。

こどもスクールに通いながら、全珠連や日商の検定を受けられますか?

受けたい検定や級によって、申し込みの方法や会場がちがいます。本部にご相談ください。

この記事の内容は、2026年10月14日に、全国珠算教育連盟(soroban.or.jp)、日本珠算連盟(shuzan.jp)、日本商工会議所(kentei.ne.jp)、豊橋商工会議所の公式サイトで確かめたものです。受験料や日程は変わることがあるので、受ける前に各団体の案内をご確認ください。

わくま君

どの検定でも、1問ずつ ていねいに。合格の「できた!」を つみかさねようね!

森田 泰斗

この記事を書いた人

森田 泰斗株式会社森田グループ こどもスクール塾長

1972年に豊橋で始まった「森田塾」を引き継ぎ、愛知・静岡の約90教室とベトナム・ハノイ校で、そろばん・かきかた書道・アートを通じて「自分を信じる力」を育てています。教育についての講演・セミナーも行っています。

まずは、無料体験へ

そろばん・かきかた書道は体験無料(約20分・持ち物は筆記用具だけ)。アートの体験は40分・1,000円(手ぶらでOK)。教室の雰囲気や先生との相性を、お子さまと一緒に確かめてください。