保護者向けコラム|かきかた書道
鉛筆の正しい持ち方と、
おうちでできる直し方
「握るように持っている」「親指が前に出ている」「すぐに疲れたと言う」。鉛筆の持ち方は、字のきれいさだけでなく、書く速さや疲れやすさにもかかわります。正しい持ち方のポイント、よくあるくせと直し方、おうちでできる練習を、かきかた書道の教室の経験からお話しします。

かきかた書道の教室に来た子を見ると、字そのものより先に、鉛筆の持ち方とすわり方が気になることがよくあります。持ち方が合っていないと、線を思った方向に引けず、すぐに手が疲れます。つまり、字が下手なのではなく、書きにくい持ち方で書いていることが多いのです。
正しい持ち方の4つのポイント
- 3本の指で、軽くつまむ
親指と人差し指で鉛筆をつまみ、中指は下から支えます。薬指と小指は軽く曲げて、紙の上にそっと置きます。指先が白くなるほど力を入れるのは、力の入れすぎです。
- 先から2〜3cmくらいの所を持つ
削ってある部分の少し上が目安です。先に近すぎると手で字が見えなくなり、遠すぎると細かい線が書けません。
- 鉛筆は、ななめに寝かせる
紙に対して、立てすぎず、寝かせすぎず。鉛筆のおしりが、手のひらの方ではなく、肩の方を向くのが目安です。
- 人差し指と親指の間に、すき間をつくる
2本の指で輪のような形ができていれば、指が自由に動きます。親指が人差し指にかぶさって、すき間がなくなると、指が動きにくくなります。
よくある5つのくせと、直し方
| くせ | どうなる? | 直し方のヒント |
|---|---|---|
| グーで握る(握り持ち) | 手首から動かすので、細かい線が書けない。すぐ疲れる | 「ピストルの形」から練習(下の「おうちでできる練習」へ)。まずは短い時間だけ |
| 親指が前に出て、人差し指にかぶさる | 指が動かず、字が角ばる。親指が痛くなる | 親指と人差し指で「輪」をつくる意識。輪の中に、小さな丸いシールを貼る目印も |
| 人差し指が反る(力が入りすぎ) | 筆圧が強すぎて、指が疲れる。紙に跡が残る | やわらかめの鉛筆(Bや2B)にすると、力を入れなくても濃く書ける |
| 鉛筆を立てすぎる | 先が引っかかり、線がふるえる | おしりが肩の方を向くように、少し寝かせる |
| 先の近くを持つ | 手で字が隠れ、顔が紙に近づく | 削った所の少し上に、シールで「ここを持つ」目印をつける |
大切なのは、一度に1つだけ直すことです。「握らない、親指を出さない、背中をのばして…」と全部言うと、書くこと自体がいやになります。いちばん気になる1つから始めて、できたらほめる。それをくり返します。
何歳までに直す?
持ち方のくせは、書く量が増えるほど直しにくくなります。年長さん〜小学1・2年生のうちに直すのがいちばん楽です。ひらがなやカタカナを習う時期に正しい持ち方がつくと、そのあとの字が大きく変わります。
高学年や中学生からでも、直せないわけではありません。理解が早いので、本人が「直したい」と思えば、数か月で持ち方が変わる子もいます。ただ、長年のくせなので、最初は書くのが遅く感じます。テストの前などは無理をせず、ふだんの練習から少しずつ変えていきます。
おうちでできる練習
- 「ピストル」→「パクッ」:手をピストルの形にして、親指と人差し指の間に鉛筆を置き、そのまま中指を下に添えて「パクッ」とつまみます。持つ前の合図にすると、毎回同じ形で持てます。
- 指先あそび:洗濯ばさみをつまむ、おはじきやビーズをつまむ、ちぎり絵をする。3本の指を使う遊びが、鉛筆を支える力になります。
- やわらかめ・太めの鉛筆:低学年はBや2Bなど、やわらかい鉛筆がおすすめです。三角の形の鉛筆や、持ち方の補助具(グリップ)も、くせが強い子には助けになります。
- 線や丸から練習:いきなり字を書くより、ゆっくり直線・ぐるぐる・波線をなぞる練習から。持ち方だけに集中できます。
- 持てたときにほめる:「今の持ち方、いいね」。注意するより、正しく持てた瞬間を見つけて言葉にするほうが、早く身につきます。
すわり方(姿勢)もいっしょに
持ち方と姿勢は、セットです。体がかたむいていると、正しく持とうとしても手首がねじれてしまいます。小学校では、よく次の合言葉で教えています。
| グー | おなかと机の間に、こぶし1つ分のすき間 |
|---|---|
| ペタ | 足の裏を、床にペタッとつける |
| ピン | 背中をピンとのばす |
書かない方の手で紙をおさえることも忘れずに。机やいすの高さが合っていないときは、足元に台を置くだけでも姿勢が変わります。
よくある質問
補助具(グリップ)を使っても大丈夫ですか?
大丈夫です。正しい形を手に覚えさせる助けになります。慣れてきたら、外して書く時間を少しずつ増やしていきます。
左利きの子は、右手に直したほうがいいですか?
鉛筆は左手のままで大丈夫です。無理に直すことはせず、持ち方と紙の置き方(紙を少し右にかたむける など)を工夫します。くわしくは字がきれいになる習い事の「左利き」のところもご覧ください。
持ち方を注意すると、いやがります。
注意の回数を減らして、正しく持てたときにほめるほうに切りかえてみてください。親から言われるといやでも、先生から言われると素直に聞ける子も多いです。
持ち方を直すと、字はきれいになりますか?
線がしっかりして、字の形が整いやすくなります。そのうえで、筆順や字の形を学ぶと、ノートの字が変わっていきます。くわしくは字がきれいになる習い事:かきかた書道で変わることへ。

ピストルの形から、パクッ。正しい持ち方で、すらすら書けるよ!
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