保護者向けコラム|かきかた書道
小学生の字が汚いのはなぜ?
原因と、おうちでの直し方
「ノートの字が自分でも読めない」「何度言っても雑に書く」「男の子だから仕方ないの?」。小学生の字が汚くなるのには、たいてい理由があります。よくある原因と、まず確かめたいこと、おうちで1日5分からできる練習、声のかけ方を、かきかた書道の教室の経験からお話しします。

「字が汚くて」と相談されたとき、教室ではまず、その子が書いているところを横から見ます。すると、字の形より前に、鉛筆の持ち方や書く速さ、ノートのマスの使い方に理由が見つかることがよくあります。字が汚いのは、センスがないからではありません。原因がわかれば、おうちでも直していけます。
字が汚くなる主な原因
原因は1つとはかぎらず、いくつかが重なっていることも多いです。思い当たるものがないか、見てみてください。
| 原因 | よくある様子 | まずは |
|---|---|---|
| 鉛筆の持ち方 | グーで握る、親指が前に出る。線がふるえる、すぐ疲れる | くせを1つだけ直す |
| 姿勢 | 体がななめ、顔が紙に近い、紙をおさえていない | 書かない方の手で紙をおさえる |
| 急いで書く | 字がつながる、線が短い、とめが流れる | 練習の時間だけ「ゆっくり」 |
| マスや行を使えていない | 字の大きさがばらばら、行からはみ出す | マス目ノートで、マスのまん中に |
| とめ・はね・はらい | 字の終わりが、どれも同じ形になる | 字の最後だけ気をつける |
| 筆順(書き順) | 書くたびに形が変わる、バランスがくずれる | あやしい字だけ筆順を確かめる |
| 道具 | 鉛筆が短い・かたい・先が丸い、下じきがない | Bや2Bの鉛筆と下じきを用意する |
持ち方と姿勢の直し方は、鉛筆の正しい持ち方と、おうちでできる直し方にくわしくまとめています。この記事では、それ以外のところを中心にお話しします。
「男の子に多い」と言われるのはなぜ?
「うちの子、男の子だから字が汚くて」。教室でも、よく聞く言葉です。たしかに、そう感じている保護者の方は多いようです。でも、男の子だから字が汚い、ということはありません。字のていねいな男の子もたくさんいますし、字に悩んでいる女の子もいます。
理由としてよく挙げられるのは、次のようなことです。
- 指先の育ち方に、時期の差がある:鉛筆を小さく細かく動かす力は、育つ時期が子どもによってちがいます。低学年では、同じ学年でも差が大きいものです。
- 早く終わらせたい気持ちが先に立つ:字の形より「書き終えること」に気持ちが向いている子です。ゆっくり書けばきれいに書ける子は、このタイプが多いです。
- 字の見た目に、まだ関心が向いていない:自分の字を「きれいにしたい」と思う時期も、子どもによってさまざまです。
どれも、男の子にも女の子にもあることで、一人ひとりの差です。「男の子だから」で片づけずに、その子の原因を見てあげてください。本人の前で「男の子だから仕方ない」と言うと、「自分は字が下手なんだ」と思いこんでしまうこともあります。
指先の力は、折り紙・ブロック・ひも結びなど、手を使う遊びでも育ちます。机に向かう練習だけが、字の練習ではありません。
まず確かめる3つ
練習を始める前に、次の3つを見てみてください。原因がわかると、何を練習すればいいかがはっきりします。
- 持ち方と姿勢
鉛筆をグーで握っていないか、親指が前に出ていないか。体がななめになっていないか、書かない方の手で紙をおさえているか。ここがくずれていると、ほかの練習をしても字が整いにくいです。
- ゆっくり書くと、きれいに書けるか
「今日はゆっくりでいいよ」と声をかけて、名前を書いてもらいます。ゆっくりならきれいに書ける子は、字の形はもうわかっています。急ぐくせを直せば変わります。ゆっくり書いても形がくずれる子は、持ち方や字の形から練習します。
- どこがくずれているか
ノートを1ページ見て、「字の大きさがばらばら」「マスからはみ出す」「とめ・はねがない」「同じ字だけいつもおかしい」など、くずれ方を見つけます。いちばん目立つものを1つ選んで、そこから始めます。
おうちでできる練習(1日5分から)
おうちの練習は、短く、毎日が基本です。長くやると、終わりのほうは字が雑になり、「雑に書く練習」になってしまいます。5分で1行、ていねいに書けたら十分です。
- 名前から始める:自分の名前は、毎日いちばんよく書く字です。名前がきれいになると、テストやプリントの見え方が変わり、本人も変化に気づきやすくなります。
- マス目ノートで、マスのまん中に:十字の点線が入ったマス目ノートがおすすめです。字のまん中をマスのまん中に合わせて、マスの中に大きく書きます。
- なぞる → となりに写す:お手本を一度なぞってから、となりのマスに、お手本を見ながら書きます。なぞるだけでは形を見る力がつきにくいので、写す1回をセットにします。
- 字の最後を声に出す:書きながら「とめ」「はね」「はらい」と声に出します。字の終わりに気をつけるだけで、字が引きしまって見えます。
- いちばんよく書けた1文字に花丸:書き終わったら、本人に「いちばんよく書けた字」を選んでもらい、おうちの人が花丸をつけます。直すところを探すより、良い字を見つける練習です。
ドリルを使うなら:書店や100円ショップの、なぞり書きのあるドリルで十分です。選ぶときは、マスが大きいこと、「なぞる→写す」の順になっていること、1ページが短いことの3つを見てください。今の学年より少し前の内容から始めると、字の形に集中できます。
持ち方のくせが強いときは、三角鉛筆や持ち方の補助具を使う方法もあります。選び方は鉛筆の持ち方の矯正グッズの記事でお話ししています。
学年別のポイント
| 学年 | 字がくずれやすいわけ | おうちでのポイント |
|---|---|---|
| 1・2年生 | ひらがな・カタカナ・漢字を習い始める時期。持ち方のくせがつきやすい | 持ち方と姿勢がいちばん。マスの大きいノートで、大きく書く |
| 3・4年生 | 漢字が増えて、マスが小さくなる。書く量も増える | 字の大きさをそろえる。習った漢字の筆順を確かめる |
| 5・6年生 | 速く書く場面が多くなる。本人の気持ちが大事な時期 | 目標は「読める字」。名前と提出物だけは、ていねいに |
学校の書写では、1年生から鉛筆で書く「硬筆」を、3年生から筆で書く「毛筆」を習います。ノートやテストの字は、硬筆の字です(硬筆とは?)。
高学年は、親に言われるより、自分で「直したい」と思ったときに変わります。理解が早いので、きっかけがあれば短い期間で変わる子もいます。中学校に入る前に、名前だけでもきれいに書けるようにしておくと、本人の自信になります。
言わないほうがいい声かけ
字のことは、言い方ひとつで本人の気持ちが大きく変わります。よかれと思って言ったことが、書くこと自体をいやにしてしまうこともあります。
| つい言いがち | かわりに、こう言ってみる |
|---|---|
| 「汚い」「読めない」 | 「この字、とめがきれいだね」 |
| 「ちゃんと書きなさい」 | 「マスのまん中に書いてみよう」 |
| 「全部書き直し」 | 「この1文字だけ、もう一回書いてみよう」 |
| 「お兄ちゃんはきれいなのに」 | 「先週より、名前が上手になったね」 |
| 「早く、きれいに書きなさい」 | 「練習のときは、ゆっくりでいいよ」 |
よい声かけには共通点があります。良いところを1つ見つける、何をすればいいかを具体的に言う、比べるなら、前の本人と比べるの3つです。
とくに気をつけたいのが、宿題の字をその場で消して、書き直させることです。毎日続くと、宿題そのものがいやになってしまいます。宿題は終わらせることを優先して、字の練習は別の5分でやる。そう分けて考えると、親子ともに楽になります。
よくある質問
大きくなれば、自然にきれいになりますか?
自然にきれいになる子もいます。ただ、持ち方のくせは、書く量が増えるほど直しにくくなります。持ち方だけは、低学年のうちに見てあげると、あとが楽です。
本人がやる気になりません。
無理にやらせると、かえっていやになりがちです。好きな選手やキャラクターの名前、友だちへの手紙など、本人が「きれいに書きたい」と思う字から始めてみてください。
左利きだと、字が汚くなりやすいですか?
左利きだから字が汚い、ということはありません。紙の置き方や持ち方を少し工夫すると、ぐんと書きやすくなります。くわしくは左利きの鉛筆の持ち方をご覧ください。
家で教えると、けんかになってしまいます。
親子だと、どうしてもぶつかりやすいものです。親に言われるといやでも、先生に言われると素直に聞ける子も多いです。習い事で何が変わるかは、字がきれいになる習い事:かきかた書道で変わることにまとめています。こどもスクールのかきかた書道には無料体験(約20分)があり、持ち物は筆記用具だけです。

ゆっくり、マスのまん中に。1日5分で、名前の字から変わっていくよ!
まずは、無料体験へ
そろばん・かきかた書道は体験無料(約20分・持ち物は筆記用具だけ)。アートの体験は40分・1,000円(手ぶらでOK)。教室の雰囲気や先生との相性を、お子さまと一緒に確かめてください。

